そのうえで、「学ぶ力」を若いうちに身につけておくと、何か新しいものと出合った時に、知恵を働かせて、うまく使うことができるような人になっている、だから今のうちにたくさんのことを学びながら「考える力」を身につけておくことが大切なのです。
「リベラルアーツ」という言葉についても触れていました。7世紀以降、イスラム教の拡大と、キリスト教国によるイベリア半島の再征服(レコンキスタ)がもたらしたのは、互いの侵略と傷跡を残すのみならず、実はそれぞれの祖先が残した知恵や知識は素晴らしいものであるということを再発見したり、それを体系化して後世にもしっかりと残して行くことが大切であるということを再認識したり(大学ができたのはこの時代)と体系化された学問を後世に伝えていく環境はこの時期多く生まれたのですが、中世の西欧において必須の教養科目とされた7学科が文法,修辞学,弁証論 (論理学) から成る初級の3科と,算術,天文学,幾何学,音楽学の上級4科で、これらの科目が生まれた要因を知っていくと、21世紀の現代に何を学ぶべきか、改めて参考になるのだろうと思います。
これらの話の最後、「人生に成功したければ、言葉を習熟しなければならない」これは確かなことだろうとおっしゃっていました。アメリカではこうした考え方について「言語学が一番大切なことだ」と学んだ人も、学んでいる人も認識しているといいます。人間という知性体がもっとも短距離でつながり、実現するまでのプロセスを経るためには言葉が使いこなせることがとても大切です。
また、頭の中で「言葉」で考えるから、頭の中を整理し、表現することができるのです。
日本では、子どものころにたくさんの人と接して、自ら発言をしたり、何かコミュニケーションを通じて一つのことを成し遂げていく機会というのは少ないかもしれませんが、それでいいというわけではないことを、少しでも早く実感できる機会をもつことが大切なのだとおもいました。たくさんのものや言葉に触れて、学習を通じ、もっとわくわくする人生を歩みたいものです。
ここから読書のはなしが始まります。
読書ってどんなことなのでしょう。高島さんはこういいます。
1.読めといわれて読み続けられる人はほとんどいないもの
2.自然と手にして、結果として身についていくもの
3.一人でよむもの
4.お気に入りの本は何度でも読むもの(本はイカリ)
4については特に小さいお子さんに多くみられることだといいます。毎日が新しいものとの出会いである幼少期には、毎日世界が違うというのは子どもにとって、とても不安なものです。しかし、絵本は結末が決まっていて、安心できるものです。そういった安心感を得るために何度も同じ本を読むという習慣がつくのだそうです。
そして、いくつになっても「読み直し」の習慣はとてもいいことなのだそうです。いつも違う学びや発見があり、幼少期の時の読み返しの役割とは異なる、メリットがあるみたいですね。
物語の中には、1000年以上も読み継がれているものがあります。なぜ古くならないのでしょうか?
「物語には遠投力があるから読み継がれる」高島さんはこのような表現をされていました。
講演会のあと、ワークショップを行い、読書の力ってどんな力なのだろうか?みんなで話し合いました。その時のみなさんの意見を紹介します。